ALBUM研究とは
昨今、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療は分子標的療法の導入により、従来達成が困難であった疾患活動性の制御が可能となりつつあります。しかしながら、実臨床におけるその実態を体系的に把握する機会は依然として限られています。
ALBUM研究は、2025年度に三重県内のリウマチ・膠原病内科を中心として、SLE患者の観察研究およびバイオバンク構築を目的としたレジストリー研究(Mie Network Registry)として、三重大学を主管に開始されました。さらに2026年度より、多施設の協力のもと中部地区へと展開し、「Middle Japan Registry」へと発展することで、より多様かつ大規模な患者集積を可能としています。
本研究のもう一つの重要な目的は、難治性病態である中枢神経病変、特に高次機能障害としての精神症状の実態を明らかにすることにあります。これらの病態は比較的頻度が低く、単施設での解析には限界があるため、本レジストリーを活用した広域連携が不可欠です。
本研究では、収集された臨床情報および臨床検体(血液・脳脊髄液)を用いたトランスレーショナルリサーチを実施し、病態メカニズムに基づく診断マーカーや疾患活動性のサロゲートとなるバイオマーカーの確立を目指します。
本レジストリー研究を通じて、明日の診療の質向上および、中枢神経病変を含むSLE患者の予後改善につながる成果が創出されることが期待されます。
2026年6月
三重大学医学部附属病院リウマチ・膠原病センター
三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座 リウマチ膠原病内科学
研究責任者 有沼良幸